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イケてるNPOの財務諸表分析②-クロスフィールズ―

イケてるNPOの財務諸表分析の第2弾は、クロスフィールズです。

 

【団体紹介】

クロスフィールズは、代表の小沼さんと副代表の松島さんによって立ち上げられたNPOです。特徴的なのは何といっても、「留職プログラム」!留職プログラムとは、企業で働く人材が新興国NPO等へと赴任し、一定期間、本業で培ったスキルを活かして現地の人々とともに社会課題の解決に挑むというプログラムのことです。つまり、企業から派遣する青年海外協力隊のイメージです。

 

【財務諸表分析】

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(上図はクロスフィールズHPから筆者作成)

 クロスフィールズの財務諸表の特徴は、事業収入の割合が高く、いわゆる「事業収益型NPOです。この事業収入は企業から受け取っています。ここで疑問なのが、クロスフィールズはどのような点に価値を生み出し、企業から収益を受け取っているかということです。

 

■クロスフィールズが生み出している価値

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(上図は筆者作成)

 クロスフィールズは、以下のような過程で価値を生み出し、企業から収益を受け取っています。

①クロスフィールズは企業から新興国NPO等に留職者を送り込む

②留職者は現地で苦しみながらも通常業務では得難い体験をして成長する

③成長した留職者は、企業に戻って企業の成長に貢献

つまり、留職によって従業員がグローバルに活躍できる人材に育ってほしいという期待に対して、企業はフィーを支払っているといえます。

 

■収益推移

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(上図はクロスフィールズHPから筆者作成)

クロスフィールズの収入の伸びはすごいです。2011年と比較して2014年の収入は、+9,600万円の増加、3年間で約15倍になっています。下の図にある通り、確かに派遣人数も+37人、導入企業数も累計で+19社となっており、この収入の伸びも納得。

ちなみに、留職プログラムは有名企業にも採用されていて、Panasonic、ベネッセ、日立製作所などが導入しています。

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(上図はクロスフィールズHPより)

 

 

いかがでしたでしょうか。

ちなみにクロスフィールズのHP(http://crossfields.jp/aboutus/member/)を見ていただければわかるのですが、メンバーの方々には謎の「キラキラ」感があります(笑)。これは代表の小沼さんと副代表の松島さんが出している雰囲気なのでしょうか。ソーシャルセクターに関わる人間としては、気になるところです。